モラトリアム・オルタネイト/由比良 倖
 
。僕の中の生の部分は、僕の早く死んでしまおうとする部分より、ずっと肉体的で、そして、見ようによっては、すごく、醜い。それは、個人的で、個人的と言うことはつまり、理屈で片付くようなきっぱりした輪郭を持たないってことだから。僕は、個人的に、電気ギターが好きで、コンピュータを使ってしか作れない音楽もすごくいいなって思い始めてる。
薬を追加します。午前五時。多分僕は誰か(それは「誰でもない誰か?」)のとなりにいないと自分を見失ってしまうのだと思う。遊園地の中でひとりぼっちになってしまった子供が、遊具よりも空とか地面ばかりを見ているみたいに。怖い。


……「僕たちはこれからどうなるんだろう」

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