モラトリアム・オルタネイト/由比良 倖
。で、僕の中にあるのは多分、インスタント的な言葉で、自然発生的な日本語、というのは、あまり読んで(蓄えられて)いないと思うのです。書いたものの、フレーバーはそれなりでも、カフェインレス。で、カフェインみたいな刺激を言葉に添加しようと思うのだけれど、それも何か、どれも味気なくてさ。自然発生的、というのは、つまり脳内麻薬みたいなので、言語回路と脳内麻薬がびかびか相互作用し合って、奇跡的に生まれるのだと思うのだけれど、そんな文章を書けるひとってあまりいない。大体は興奮してるけど全然書けていないか、書けているけど全然興奮していない。凝ってるけど味気ないか、もしくは気合いが入っているけど不味い。
無感
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