カメレオンの脳味噌/ホロウ・シカエルボク
も頭に穴を開けられて脳味噌を啜られたのは初めてだよ」「美味かったか?」そんなでもない、と俺は答える、美味いというよりは、面白かった、と―カメレオンの脳味噌は意味ありげに唸る、「そういうことだよ」「我々が保証する、あんたは我々の脳味噌についてはどの人間よりも詳しい」それって大事なことなのか?と俺は尋ねる、当たり前だ、と彼らは答える、「もちろん、これがすべてではないよ、あらゆることにこうした、少しずつの気づき、経験が存在する、その積み重ねみたいなものがきっと大事なことなんだ」「人間の寿命が凄く長くなったのは経験を蓄積するためさ」「人間の脳味噌が複雑なのはそうした経験から何かを導き出すためなんだ」「我々
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