『よるのうた』/葉月 祐
 




春が足元に
一夜限りの花びらの星座を描いた



夏の夜の夢は
浅く長い ひとつの戯曲のようだった



秋に降る火球の
行き着く先は誰も知らないまま



冬の星を瞬かせる
純白の結晶の群れと 幻想的な月光




わたしを揺さぶり続ける夜の姿は
    絶え間なく流れ続けている
    よるのうたのしらべ


疲れた体を 夜の灯がそっと癒して
傷ついた心は 夜の静けさに包まれる



幸せと悲しみや
喜びと苦しみの曲を
誰もいない夜の世界で
毎夜のように口ずさむ


わたしはいつも
月の真下に立ち

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