泥棒の紙芝居/5or6
親父、いや、私は倒れたのかい?
少女に尋ねると不思議な顔をして
そうよ、死んじゃったとお母さんが言ったの。
ねぇ、早くお話聞かせて
突然知った父親の死に泥棒は動揺するのを抑え、幼い頃に聞いた父親の話を思い出しながら少女に話した
話していくと父親の思い出が走馬灯のように頭の中で浮かんでは消えていく
物語の最後で泥棒は涙が溢れた
それは子供が父親に会いに行く話だった
少女は胸に遣えてたものが消えたのを感じた
そしてこう言った
おじいちゃん、お昼の時よりもお話下手だったけど面白かったよ
またお話し聞かせてね
泥棒はそうか、と照れてからお詫び
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