泥棒の紙芝居/5or6
 
詫びの印だと袋を少女にあげた
いいかい
いい子にして寝ないとこの袋は萎んでしまうよ
だから見るのは起きてからだ

そう泥棒は少女に言い聞かせて窓からいなくなった

少女は言い付けを守り、袋を見ないまま眠りについた

そして泥棒はそのまま交番へと歩いていった
足取りに迷いはなく出所してから子供たちに伝える紙芝居の物語を考えながら

泥棒は夜の街を歩いていった

おしまい

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