泥棒の紙芝居/5or6
 
うに話す少女に聞いてみた

おじちゃんを知っているのかい?

すると少女はキョトンとした顔で答えた

紙芝居のおじいちゃんでしょ?

泥棒は持っていた袋を落として愕然とした

親父はまだ紙芝居をやっていたんだ。と

記憶が走馬灯のように蘇る

クラスの皆に紙芝居で飯を食べてる奴だとイジメられてから父を憎んだ少年時代
何回も紙芝居の絵を破ったこともあった
そして家を家出して何年か経ち
金が無くなり路頭に迷い
生まれた街に戻ってきた彼は泥棒になったのだった
この街に復讐してやる
その思いで何回も空き巣をした
そして今日も、何気なくこの家にやってきたのだった

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