ある朝こぼれ/ただのみきや
在って生きながらに朽ち与えてはまた奪う
この夢から覚めよ
この夢から覚めよ
明文化されたものたちはよそ行きの装い
知性は無意識には小さすぎるランジェリー
引かれ押され突き動かされて
透明な裸体も隠せはしなかった
自嘲のリボン
哲のかんざし
眠りの夢の向こう暗黒の海うねる黒髪の
剪定された薔薇の首のない死体
それが真の姿
美しい顔(かんばせ)は移ろう現象に過ぎない
薔薇の
無意識から花は咲く
そうして花だけが人と通じ合い
花のために薔薇は剪定される
理由はいつでも後付けされる
無意識に花は花を終える
理にかなった鋭い切り口ほ
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