ある朝こぼれ/
ただのみきや
口ほど
創造からは無造作と見なされるものはない
芝草は枯葉を重ね淡く雪を纏う
ヤマガラ
シジュウカラ
スズメ
制服の色を変えただけの背丈も近い小鳥たちが遊ぶ
潜められた死の源泉の囀り
震えながら
途切れ途切れに繋がれて往く
生の
上澄みだけをいま筆先で薄く延ばしながら
わたしたちは卵
わたしたちは蛹
わたしたちは棺
小さな殻の中の混沌のうねり
《ある朝こぼれ:2016年11月16日》
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