ドトールにて/高林 光
ないようなことが僕のなかで果てしなくぐちゃぐちゃになっていて、コーヒーも煙草も、この気持ちも、まったく消化できないでいる。
消化できないことを諦めてしまって良いものかすらも悩んでいるくらいだから、今、空腹に耐えかねて何かを食べてしまったら、ほとんど吐いてしまうのではないかと思う。
吐くのが食べた昼食の未消化などろどろだけであれば、まだいいのだけれど。
喫煙室の中央に配置されたアイランドカウンターは、真ん中に摺りガラスの衝立が立ち上がっていて、斜め前に座っている女性の気配を程よく消してくれる。
このアイランドカウンターの端に座って本を読みながらコーヒーを啜ってみたが、まず本の内容
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