薄衣/水菜
泣き出しています。
ジャッキー『青い紫陽花も入れて!僕ら大好物なんだよ』
クーピー『!ずるい!僕が先だよ!』
画用紙にクレヨンで大きく描かれたのであろう力作の彼等が少し歪んだ線そのままに喧嘩を始めました。
(幾枚もの薄衣を重ねて
血色の良い足が足首側を上にして
歩いている
生白い足の裏は足指や土踏まずを器用に動かしながら
会話をしている
さらさらした薄衣を頭から被っているために、傍目からは小さな人形のようだ
美恵子は、目を疑った
よくよく見れば話す足の裏の本体は、そばかすで小さな身体の由美子の仕業だった
足を器用に動かしながら、あ〜でもない、こうでもないと床の上
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