薄衣/水菜
の上で紙に殴り書きをしている
由美子の奇行は、よくあることで慣れっこのつもりだった美恵子は、つくづく自分の認識が甘かったことを痛感した
足裏人形の舞台は、どうやらクライマックスを迎えたようだった
助手らしい右足裏のジャッキー(トラ猫)とマジシャンの左足裏のクーピー(男の子)が、口から数多くの苺ミルクキャンディを放出したところで幕を閉じる
最後に堂々とお辞儀までしてジャッキーとクーピーは、机の上の舞台から矢のように消えた
保育園での演し物で披露するらしい足裏芸
美恵子は、言葉も出なかった
由美子は、双子の美恵子の姿に気付くと、ぱっと起き上がった
染めてもいないのに栗毛色の癖っ毛には沢
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