ブラック&ホワイト/ホロウ・シカエルボク
 
さな港しかなく、そこまで歩いてみてもやはり仕方がなかった、散歩の途中でこの道に迷い込んだのもほんの気まぐれのようなものだったのだ、今日は休日で、いつもよりもたっぷりと睡眠をとったけれど、普段の蓄積のせいか天候のせいか、気分よくすっきりと目覚めたというわけにはいかなかった、こんなところに迷い込んだのはそんな、ぼんやりとした気分を抱えて歩き続けたせいかもしれない、なにかひとつ、朝飯代わりの飲料を求めてふらふらと歩きだしただけだった、焦点が定まっていない、でもそれは斜視のせいではなかった、なにも思いつかなかったので俺はその目をしっかりと見返してみた、予想はついたことだったけど鏡を見ているときとたいして違
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