ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(温か過ぎるけれど)/ホロウ・シカエルボク
 
にまとわりついた、雨は上がっていたが雨雲はまだこの街に未練を残していた、いま何時くらいなのか、この街の夜じゃ時間を知ることも困難だった、少なくとも午前にはさしかかっているだろう、あの店に潜り込んだのは確か二十三時を過ぎていたから―どこかのダイナーにでも入ってコーヒーを飲んで壁に掛けてある時計が正確かどうかに賭けてみるしかない、別に時間なんかそんなに知りたいわけでもなかったけれど、いま気になることがあるとしたらそれ以外にはなかった、選択肢が少ないのならそれを選ぶしかない、少し歩いたところに昔からやってる店がある―入ったことは一、二度しかないけれど―あそこの小人みたいな爺さんなら、少なくとも時計を合わ
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