ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(温か過ぎるけれど)/ホロウ・シカエルボク
 
ある、見極めが利かないやつらはどんなところでもこうして暢気な絶望のように転がるだけだ―と、冷めたふうを決め込んでいる俺も飲み過ぎていた、なんせ飲んでいるしかやることがないのだ、グラスをカウンターに返して店を出ることにした、どうせ連れは前後不覚だ、俺は今日たまたまあいつに捕まっただけで別にあいつの世話係じゃない、粋がりたいだけの金持ちのおぼっちゃんなんか相手にしてたって仕方がない―グラスを返すとバーテンがなにか言った、ジミー・ペイジが調子に乗っているところだったので俺にはまるで聞こえなかった、肩をすくめて聞き返さずにそこをあとにした、店の重いドアを開けるとむっとする空気がブランケットのように身体にま
[次のページ]
戻る   Point(1)