ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(温か過ぎるけれど)/ホロウ・シカエルボク
 
舞踏さながらのたうち回っていた、今夜は特別上等なやつが入るからって、連中のテンションはハナからぶっ飛んでいた、俺の幼馴染も今頃どこかで転がっているはずだった―かわいい女の子と一足お先に天国に行ってなければ―そんなところでたったひとり小さなテーブルに飲物をあずけて音楽を聞いていると世界でただひとりの人種になった気がして、でもこんな連中の輪の中に入るくらいならそんな孤独は心地いいくらいだった、音楽はツェッペリンに変わり、ロバート・プラントの声を受けつけない俺は顔をしかめた、フロアーは盛り上がっていたけれど…こんなところで踊っている連中が上物なんか入れるべきじゃないんだ、どんなことにも分というものがある
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