文学極道と国境/天才詩人
、オーストラリアなど、文化や宗教的背景がまったく異なる国と地域で話され、書かれ、読まれている。だから、イギリス人がインドに旅行・居住して、インドについて英語で何か書いたならば、ケニアやシンガポールでも読者を得る可能性があり、そこにグローバルな批判や思考のフローが思いがけない乱反射を生み、人々の行動に微妙な影響を及ぼす対話の糸口が、ほんのわずかであっても生まれるわけです。あなたが書く日本語の「詩」にそんな可能性を想像できるでしょうか。
日本語の話者人口とその分布のほかに考えなければいけないのは、政治的な状況です。つまり「日本か外国」か。そんな単純化された二分法がリアリティを持つのは、アジア大陸
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