並木道/もっぷ
ないお友だちの命日を持つことになったのだとぼんやりと思考が行き交う。そのうちに四歳だったのかそれとも五歳のこのちいさな体はとても疲れて、気がつくとあたしは私の思い出のなかで眠りに落ちた。
目覚めると梅雨の窓があった。カーテンは開けたくない、まるで駄々っ子のような週末の朝にたたずみ、思いに従いカーテンを開けることを拒絶する。私は思案ののち空調をつけて部屋の湿度を多少とも居心地よくすることを発見するが、躊躇ったのちにそれをもしなかった。
枕に巻きつけておいたタオルを取り払って洗濯機に放り込み、くちゃくちゃのタオルケットを広げながらそこそこに畳んで、思い出したように灯りを点けてそして消す。き
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