空間的記憶について/天才詩人
頻繁とはいえません。日本でも、誰もが三島由紀夫や大江健三郎の話ばかりしているわけはないので、よく考えたら当たり前です。
ところがその日本の友人はガルシア=マルケスという、彼にとっては一大スターである人物が亡くなったことに大きなショックを受けていて、さぞこっちでも大きな騒ぎになっていると考えている様子でした。ガルシア=マルケス逝去のニュースは、僕が一緒にいた人たちのあいだでも話題にのぼりましたが、ほんの数分間だけで、すぐにいつもの四方山話に戻りました。休日の行楽地で、にぎやかなラテン音楽が流れ、人々が踊り、テーブルには空のビール瓶が何本もならんでいるという状況でのことなので、仕方ないといえば仕
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