キコエマスカ/あおい満月
 
と音を立てて玉は割れて、
小さな少女が出てきた。
思わず声を発したとき、
少女はみるみる大きくなった。

少女は老女だった。
白い髪に白い服、
身体には幾重にも鎖が巻き付いている。
鎖にはいくつもの、
破れた地図のような手紙のような、
文字と絵が組合わさった紙が絡まっていた。

老女は私を見ずに、
私を見ていた。
開きかけた唇からは音が漏れて、
彼女は唄いだした。



海から引き上げられたように、
目を開けると、
全身がぐっしょりと濡れている。
そこはまだ夜も明けやらぬ部屋だった。
手探りで手にしたスマートフォンの
時間を見ると午前3時。
(あ
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