テクストと批評/天才詩人
対する危惧は、あってしかるべきなわけです。しかし、おそらくポイントは、ドストエフスキーの小説も、LINEの会話や、SNSでの「つぶやき」、ドラゴンボールZなどと同様に、それが書かれた/なされた特定の時代や、文化的な「場」について、「何 か」を言っているということです。対象がなんであっても、それを「テクスト」として括り、詳細な検討をくわえることによって、ひとつの時代や場所、文化に特有のモノの見方、世界観などを取り出すのが、有意味な「批評」だと考えます。
現時点において、批評行為を考えるとき、旧来の文芸、演劇、美術批評などで研磨されて きたアプ ローチが、欠かせない土台である、というのは事実でし
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