テクストと批評/天才詩人
 
でしょう。繰り返しますが、美術、文学作品の優劣を、半ば没価値的に、社会学者や素人の分析だけにゆだねるべきでは ないというのは当然の話です。いっぽうで、過去数十年を振りかえると、美術や文学といった特定のインテリや文芸愛好家の専門領域であった批評行為の意味自体が変容しています。たとえば、目下、日本において「藝術」とは何かと問うときに、片っ端から美術史やアートの文献を調べるも大事なのですが、もっと簡単な方法として、ドラえもんで「芸術家」や「画家」がどんな人物として描かれているかを見ればよいのです(たとえば、しずかちゃんの叔父さんが画家で、ベレー帽をかぶって登場し、のびたくんたちの描く絵を指導するエピソー
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