氷の散弾にブルーハワイ/ただのみきや
 
された全身金箔の虚偽者を担いで
蜂蜜漬けの脳をぶつけ合う
感動に震える唇を濡らす火の雫だ
冷たいものの飲み過ぎだ
おれの目は亡霊だ
記憶喪失のユダヤの末裔だ
絡まり合った釣り糸だ
夏は大安売りだ
気持ちとは裏腹に大安売りだ
誰が骨を拾う?
知らされない死の隠匿を詩をもって死と為し知らしめろ
拾うな! 決して!
ぐちゃぐちゃの愚者の愚痴ケチでチンケな下知を
半夏生に食らった蛸の頭だ
蒙昧で腐り気味の吐息だ
本のせいにするな
せせらぎのカササギが咥えた薄紫の石が最後の分け前だ
馬に蹴られながら豆腐の角に頭をぶつけながら
過労死したナマケモノが書き残した白い断章の崖だ
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