Miz 22/深水遊脚
。」
「俺もここで油を売っていられないんだ。もう少ししたら帰社する。政志は心配いらないから安心してくれ。」
その声に軽く礼をいって病院をあとにした。
少しは気分が晴れた瞬間もあったが、これからのことを思うと、その晴れ間はすぐに憂鬱で覆われた。幸政くんの考え方はとても合理的だった。ただそれは、人の能力を組み合わせ自由なパーツであると仮定した場合の話。でも実際には組み合わせ自由なパーツほどに人間とその能力は単純ではなく、ジグソーパズルのピースくらいには複雑ではないだろうか。 ?啄の機、つまり刺激して能力を引き出すタイミングとその強さがわかることと、彼の挑発の言葉の中味と、そこに現れる彼
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