Miz 22/深水遊脚
る彼の変わりようのない考え方は、一通りの組み合わせしか許さないジグソーパズルのピースではないか。そのような考えが頭から離れずに、どうしても私を不安へと引き戻すのだった。
もうこのまま帰ったほうがよいのかもしれない。でもそういうわけにも行かなかった。政志くんと柏木くんのリミットなしの大掛かりな模擬戦については、他の皆に知らせないかたちで進んでいた。あるいは状況を察した人もいたかもしれないが、公式には無断でちょくちょく任務に穴を開けている。累計すればかなりの時間になる。そのことが気になっていた。マミちゃんの戦闘訓練もその一つだ。私は訓練のための戦闘員専用のジムに向かった。いまマミちゃんのトレーニングや模擬戦をみたい気持ちもあった。心を通わせたつもりの青山くん、橋本さん、マミちゃんに囲まれたかった。彼らに愚痴を垂れるわけにも行かないし、訓練を統括するなら私が癒しを求めるなど本末転倒だ。それでも、柏木くんの考え方やそれに肩入れする幸政くんや春江さんと、永久に相容れないであろう私の心の鉛のような部分を、溶かしたかった。私なりの正義についての考え方を誰かと共有したかった。
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