百合/るるりら
 
陽は、やっぱり 赤かった
わたしは知った
真っ赤な太陽とは、 一日一日の始末を空を見てきた人々の言葉だったと 
なんという くれないだろう
月も出ていて ユリの鱗茎のように 白い
なんという 対比だろう こころが躍り
みなで 沖に泳ぎはじめた


さあ どこまでも 限界まで 今日一日は 泳いでいこう
この島のすみずみを 泳いでいこう
どこまでもどこまでも いけそうな気がする

途中ですこし陸に あがった
巨大な地層が露わになっている
恐竜もきっと岸壁に呑み込まれているだろう地層の下に
立ち
燕の子らのように 大きな口をあけ、上を見
[次のページ]
戻る   Point(12)