百合/るるりら
 

【百合】


昨夜の薪が
まだ ほんのわずか ちろちろと している
寝る前に見た 夜光虫のまたたきと
星々とのまたたきとの
違いがわからなくなくなってしまった
ほんとうには 生き物と星に違うところは無いのではないのではないかと
感じたのは 夢だったろうか現実だったろうか
気がつくと 

あさやけいろした
しんせんな波が 
たぷんと 
岸に届くと同時に
いちばん 早起きのセミが 歌いはじめ
鳥のつぶやきごえは そこはかと、
覚めた波のゆさぶりとともに
まだひそかなこずえで前奏曲を始めている

あっという間に 登った太陽は
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