水銀の涙 (未完)/043BLUE
腸のような 何か
によって固く
糊付けされた
虚しさの
秩序の歴史は
ここから発信され
ここで破綻する
d.
ついに
輪ゴムの一面の
滑らかな路上で
流浪する一群の
行き先を失った
封印された真実の
歴史の詳細
は、劣化した
緑色の
輪ゴムによって
束ねられた
嘆きの海に
浸された
閉ざされたドアの
油ぎれの鍵穴
油ぎれの歴史
油ぎれの私は
コップ一杯の水銀を
飲み干した
e.
ドアのパッキンは
嘆く
水銀の涙は
鍵穴に入り
錆が進行する
虚しさの
秩序の歴史
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