水銀の涙 (未完)/043BLUE
 
歴史の
進行と

シンクロしながら
浸蝕する


 f.

限りなく広がる
水銀の海原

水平線に浮遊する

月のような
卵細胞のような
生命体の

その心臓部
近辺で発光する
微かな光に向けて

私は蛾となり
飛び立つ

その生命体の
額の
ドアの
鍵穴に

刻まれた文字の
真実の

錆の赤さの
夕焼けが

捏造された
虚しさの
秩序の歴史の

最初の一日の
約半日分の
詳細である

戻る   Point(3)