夜を千切り、張り付ける、呆然とした画用紙の上に。/ホロウ・シカエルボク
を窓辺に飾る癖がついた、それらは太陽と埃だけを乗せてじっとしている、でもなにか、ほっとしているように見えることもある、考えようによっては、皿というのは汚れ仕事だ、毎日毎日食いものや調味料を乗せられて、時には全部を食われることもなく、中途半端な重さを抱えて台所で処理され、いろいろな匂いのする洗剤で洗われ、時には落下して命を失うこともある―しいて言うなら窓辺に居るこいつらは退役軍人のようなものだ、彼らはいつでも戦いの中にいた、厳しく、頻繁に起こる逃げられない戦いの中に
いつだったか、使われなくなった親族の墓に、車に頸を引きつぶされた飼犬を埋葬しに行ったことがある、母親に連れられて、鬱蒼と木々
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