続・日曜は父親と遊園地に行こう/モリマサ公
 
いるのかあたしにはわからなかった
母親の住んでいたのはちいさなアパートだった
広大な畑の片隅で
赤ん坊はしゃべりもしなければ
泣きもしなかった
ちいさなアパートであたしは
警察からの電話をうける
彼が捕まったと言う過去が鼓膜にダメージと安息をあたえた
駄目
絶対
を消費しながら
もどってこなかったという過去を探っているそばを
未来は駈け抜けていった
よくいえば現在という空間のなかで
コンビニの白い袋が
車にひかれ空中に舞い上がりまたひかれるを
くりかえす
文字になって定着していく
コンビニ袋のよれが
自分の分身のようで
あの日我々は
幸福だったのだ
幸福
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