island/ホロウ・シカエルボク
 
そこら中で!
火薬の臭いが充満していて
目から涙がとめどなく流れる
あーあ、あーあ、赤子が泣いてる気がする
母親なんぞとうの昔に居なくなってしまった
おまえはそれでも乳を欲しがるというのかね

どこへ捨てよう

ダストシュートに五才、ボイラー室に八才
天井裏に十二才の少女
冷たくなって青白くなって
甘酸っぱいにおいを放ち続けている
時々ほんのり涼しい雨の夜にはひとりずつ降りてきて
売春婦よりはずっとマシな手口を曝け出す
お駄賃も欲しがらない

夢はいつでもぬるぬると動く虫に彩られていて
ノクターンのリズムで躯が飲み込まれていく
あああ、あああ、あああ、悲鳴のよ
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