island/ホロウ・シカエルボク
 
のような、赤子の泣声のような
あの声はおまえらの体が擦れ合う音なのか
盆が近いのに大人しく出来ないのか
おまえたちがいつまでも道を覆い隠していると
戻って来た亡者たちが行く先を忘れてしまう



上手く切り離せず、ぬるぬるとした
妙な色の液ばかりがそこらに流れ出して
力を込めた手は滑り手のひらをすっぱりと
いつのまにこんなに血まみれになることを忘れたのか
健忘症のように刃を見つめたままぼうっとしている
カチコチと鳴るのは柱時計ではない
上手く合わせられぬこのおれの歯の根の音だろう

どこにも捨てられない

床に転がったおまえは夏よりは冷たく
寒くもないのにお
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