island/ホロウ・シカエルボク
 
雪平鍋の中でおまえの置手紙が
コトコトと煮込まれている
鰹節の匂いは穏やかな気分にさせるが
なにかしらの解決をも生むことは出来なかった
焜炉で鍋底を淫猥に撫でる火を見ながら思う
あれをいつか食むときが来るだろうか
街なかの獣のように腹は呻いているが…

零時

脳味噌はあの鍋のように炙られているようで
グツグツと煮えたぎり吹きこぼれている
汗が滲んでシャツをへばりつかせ
愚かな暮らしに磔の七月
祈るものは誰も居ない、願うものは腐るほども居るのに
こんな夜の希望は光を求めないのだ、ごらん
月さえも茹だるような空の中で
灰色に色を変えている

爆竹が破裂する!そこ
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