そして落葉樹は/もっぷ
 
し風には何でも視えるもので、間違いのなく二十四年後の?あたし?がシートに座っている車を目指した。

 すでに?私?は持ってきた薬の助けを借りてうとうととしてきていた。手遅れになる前に「火を点けなくてはいけない」と、いよいよその頃合いだとぼんやりとわかる。
 ためらいは特にはなく(うそだ)点火しようとする。だがその刹那、どこかから懐かしいような一篇が聴こえた。


「家路」

  道のこっちっかたにあるのがシロツメ畑で
  そのはんたいっかわがレンゲの畑
  記憶のなかでもそしてきっと当時でも
  道の右っ方にあるのがシロツメクサの群生地で
  左っ方がレンゲソウの
  そ
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