大洪水/kaz.
える。その物語は煙によって綴られた物語なのだ。煙が生み出すまやかしが物語となり、生まれ、そして消える。僕は自分にとって切実に感じられたことしか記述しない。そしてそれは脆さでもある。僕は危険なことをしている。時として。いや特に理由はない。何も僕を脅かすものはない。ただ書くことは危険なことだ。それはしばしば自分の立場を脅かす。でも今は大丈夫だ。特に問題はない。危機は煙のように消えていく。
書くことは綱渡りのように危険である、
上の命題を消去せよ。消去せよ。僕は危険だ。ああ。死ぬ。僕は死ぬために書いているのかもしれない。何も美しいものはなかった。僕は彼女に魅力を感じられなくなっていた。美しい
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