大洪水/kaz.
 
ぐらいにしておこう。


九章 No Title

萌木色の空に夕陽が沈み
沈み込んだ思考を融解していく
タートルネックの僕の肩を
叩いてあなたは消えていく
構造的にはどんな詩も
同じ形式をもっていて
僕は詩を書きながら鬱になる
書くことはもはや何でもない
ただの愚かな行為にすぎない
それを僕はどうしたらいいのか
考えてもまた言葉にならず
すべては消え去っていく

麻木色の空は前より青く
沈み込んだ思念をふわりと浮かす
セーターを着た僕の肩を
叩いたあなたはどこにいる
構造的にはどんな詩も
同じように見えてしまうから
どうしようもなくどうしようもない
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