「そしていま、最後の曲が消えた」/ホロウ・シカエルボク
となんだ
(たとえばこんな、眠る気がしない真夜中なんかにね)
考えてみれば俺はいつでも真夜中に詩を書いているような気がする、多分俺はこんな時間にこそなにかを頻繁に考えているのだろう
思考するにはいろいろとやり辛い世界だ、考えずに済ませようと思えば
それで済んじまうものがたくさんあるせいだ
だからみんなつい早押しクイズみたいに我先に自分の答えだけを喋ろうとするのさ
俺には昔からそれはすごく不思議なことだった、でも今はそういうものなんだろうと認識している、そんなことについてあくせくやってみたところで誰の意識を変えることもおそらく出来ないからね
だって俺は自分のことでいつでも手一杯なんだか
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