「そしていま、最後の曲が消えた」/ホロウ・シカエルボク
すぐやることがある
俺の脳味噌のメモは
些細なことを重要視する
そうでなければ
ただ書かれたものを読むだけになってしまう
一行の文章には三行ほどの、あるいはそれ以上の意味合いがある
「俺は読み飛ばすことをしない」
この夜にはそう書いてある
待ち合わせ場所で置き去りにされるかもしれない今夜見るはずの夢の代わりに
死んだ人間が奏でた音楽の記録は生きているだろうか、これは以前にも書いたことがある
きっと俺がこんなものを書き続けることでなにか得るものを求めているとしたらそんな問いかけの落としどころだ
それは本当のことじゃなくていい
それはその時(たとえば今夜このとき)、ああそうか頷
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