鉄/黒川排除 (oldsoup)
言う 燃え広がる車掌 におう車掌 ときおりぱちぱちと音を立てながらはじける車掌 新聞紙の灰をまさぐっていると 作曲者不明の「不平等」という曲が流れてくる ここも夏にはこんがり焼けて実においしそうな色になるんだ、と 男は無視していた 一度その土地を食ってみたことが、わたしには あるんだが、昨日のように感じられるんだが、男は耳を塞いでいたが聞こえていた、食物が断続的に与える幸福が皿に歯形を付けるようになる頃、幼児はそれを手で覆い隠すのだ、それは男だそれは男だ、なぞらえる言葉を隠さなければならなかったのだ、殺すには母は大きすぎた、昨日のように感じられるんだが、──溶岩のように燃えながら吹き流れる元は列車
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