死活/飯沼ふるい
しくなった。
女の子をまた見かけた。女の子は女の特徴をやおらに主張する格好をしている割に化粧もしておらず、幼い面立ちをしていた。本当に幼いのかもしれなかった。女の子に乱暴すれば気も紛れるかと思ったが実行できる訳もないので想像の内に留めた。その想像をも振りきるようにアクセルを踏み込んだ。
バックミラーを覗くと女の子は気のない顔で、けたたましい音を散らす割にのんびりとした速度で逃げていく僕の背中を眺めていた。
※
生まれたての姿の僕は野グソするようにしゃがみこみ、アスファルトに融着した「きみ」の指を尻の穴にねじこんでいく。
体を上下に揺らすたび、手入れの行き届いた爪が僕の
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