死活/飯沼ふるい
 
んだ性器へかしずくように顔を埋めた。熟れすぎて爛れたあけびのような窪みからは、やはり腐った臭いが広がる。人は生きながら腐っていく。腐るところがなくなると人は死ぬ。僕の舌が女の腐敗をさらに酷いものにさせた。女はひどく恥ずかしがった。つまり悦んでいたのだが、僕は吐き気がするほど女を軽蔑した。腐っていくことが悦びとは。しかし僕にとって、軽蔑は愛と同義であるのも事実だった。





そしてただ微笑みの印象を残して大破した「きみ」とはいったい誰であったのか。





喘ぐ。喘ぎながら僕は穴という穴から汁を垂らす。汗も涙も鼻水も腸液も、こぞって僕を汚くしてくれる。ブラブラ揺れる
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