あなたのなかのあなた/あおい満月
 
れるからです。
翌朝あなたの部屋の扉の前に綺麗な千代紙の折り鶴が座っています)
折り鶴か。お伽噺みたいだな。

翌朝、私は口から心臓が飛び出すかのように驚いた。
部屋の扉の前に、本当に折り鶴があった。
私は外へと飛び出して、坂を下りながら
スマートフォンを操った。

(わたしはあなたという迷路に迷い込んでしまいました。今、あなたという坂を下っています。あなたは、どこですか)

(わたしはあなたという坂の上にいます。あなたは、わたしの世界にいます。うしろを振り向いてください)

恐る恐るうしろを振り向くと、
ひとりの女の人が立っていた。
小柄だがきれいな人だった。

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