あなたのなかのあなた/あおい満月
 
う。
なんだかわくわくし、
また返事した。
(わたしには裏地よりもわたしのなかの
あなたの髪の生えた壁が気になります。
毛先に生えた花の花粉が鼻を掠めるのです)

翌朝の返信は、
(わたしは今、黄色い花に囲まれています。あなたが頭の上で口笛を吹いています。あなたが今、窓際から翔んでいきました)
鳥か。私は苦笑いをした。

(わたしの見えるところは、灰色の箱ばかりです。あなたは袋をかじりながら不気味な声で鳴いています。犬に良く似ていますが、黒い翼を広げて翔んでいきました)
鴉のつもりだったが、どうだろうか。

(わたしは折り鶴を折っています。夜眠る前に折ると心地よく眠れる
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