花畑(終)/吉岡ペペロ
どもが泣いたあとの目をした六十過ぎの老婆を見つめた。酔いつぶれてしまえと思った。二階に上がってはならない。
阿部定の酌が冷や酒をついでいた。身体をまわすと痛みが走るのでぼくはお酌をしなかった。
股間がかたくなっていた。阿部定の若い手がもうそこにちろちろ触れていた。
腰をずらそうとしたか、性的刺激だったか、イスからお尻が落ちかけて、それを踏ん張ると右股関節にまた激痛が走った。痛みがおさまらなくてぼくはうずくまるようだった。
「寝ておいきよ、横になるがいいよ」
それしかないような痛みだった。
阿部定が布団を敷くあいだぼくは立っていた。立っているのが一番楽だ。さっき階段をあがっ
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