花畑(終)/吉岡ペペロ
で一気に外へ出た。酔いと大便のときのダメージでふらついていた。
雨があがっている。砂で固められたような路地が月明かりに照らされている。
ぼくは夜空に月を探した。それだけで痛みが走って思わず股関節をおさえた。
ぼくは大通りのほうではなくて路地の奥にすすんでいった。ちょっとでも身体をひねると股関節に激痛が走った。
ぼくのなかに、和夫くんが降りてきていた。和夫くん、いたんだね、涙があふれてきた。
春の夜風がからだを冷やしていく。足を擦る音が自分のものではないようだ。
まっすぐ歩くだけなら痛みに耐えられるようだった。大丈夫だよ、和夫くん。
あのままあそこにいたら、ぼくはどうなっ
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