花畑(4)/吉岡ペペロ
かわからなかった。
お母さんもおなじようだった。和夫くんのお寺にはもう行かないようだった。
二千人の信者がいたお寺はいまや二十人ぐらいになっているらしい。お寺のことは、和夫くんがいじめられなくなったようにはいかないのだろう。
たった一、二ヶ月のあいだではあったけれど、押し倒されたり、石をぶつけられたりしていたから、和夫くんの学生服はつぎはぎだらけになっていた。それは誰からみても格好よくて、クラスでは自分の制服につぎはぎをあてるのが流行った。
学年があがると、和夫くんは休みがちになった。身体をどんどん悪くさせていった。和夫くんが久しぶりに学校に来ると、あきらかに調子の悪そうなすがたを
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