花畑(1)/吉岡ペペロ
 
ような形になって、バランスをくずして和夫くんが倒れてしまった。それを見て同級生たちが走り去った。
「ごめん、和夫くん、ごめん」
「笠置くんは大丈夫?」
「うん、大丈夫」
 和夫くんが立ち上がるのを手伝いながら、
「なんであいつら、ぼくをいじめるのかなあ」
 ぼくはさっき和夫くんを押し倒してしまった言い訳をするようにつぶやいた。そんなの分かっている。ぼくが太っているからだ。すると和夫くんがぼくを真っ直ぐ見つめて、
「笠置くんがあの子たちのご先祖さまと、仲直りをすればいいんだよ」そう言った。
 一瞬どういうことだか分からなくて、
「ぼくが仲直りするの?」と聞くと、
「そうだよ、笠置
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