僕は死に始めた/ホロウ・シカエルボク
入れてる
地獄の門の上であの男が考えていたことには
きっとそんなニュアンスが込められているはずだ
だってあいつはそんなところまでわざわざ出向いて行っちまったんだから
行動の後の思考にはほとんど意味はない
そこに来た時点でそいつはもうほとんど決定している
面倒くさそうに折り曲げた膝は
その時に対応するためにじっとしているのさ
突然に、不気味なくらい、暑い春の日が来て
隣の島ではマグニチュードが更新され続けている
だからなんだ、災害で死んだ連中は
人知れず死んだ者たちよりも尊いのか?
とっつき易い不幸や愛が重宝されている
誰かがどこかからぶら下げてくる情報に
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