ヒトクイバナの心/あおい満月
 
めてやってきた狩人か。
ごろごろごろごろ ごろごろごろごろ
(間違イナイ、 アレハ人間ノ足音ダ)
すると花は 自身の体内から、
人を誘き寄せるような匂いを放ち始める
狩人が何かに気づく。

彼は見つけた。
森の奧深くで、
眠るように咲いている花を。
大きな花弁を持つ妖艶な花。
彼は思わず手を伸ばす。
すると、

それは、
光よりも早い一瞬だった。
花は口をばっくりと開き、
彼の指先を飲み込んだ。
バリバリと骨を砕く花の牙、
あふれでる狩人の血。
花は快感に輝き、
狩人の悲鳴が森に谺する。

ごろごろごろごろ ごろごろごろごろ
(私ガ本当ニ欲シイモ
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